ガレキ複製してみた話 Part3
2020年1-2月に行ったガレキ複製の振り返りPart3、レジン流しについてです。
参考記事:
『フィギュア複製を徹底解説!シリコン型にレジンを流してパーツ量産してみよう!』
http:// https://yzphouse.com/hukusei-resin/
目次:
1.今回作成した複製
今回の作業の結果です。
つまづいたパーツは顔, 武器, 脚でした。
異形化したのは特に武器です。細長い形状って複製にとって鬼門なんじゃないかと思いました。ただ今回は原型の形状に合わせて細長い形でシリコン型を作ったことも失敗だったかもしれません。板に挟んで固定しずらかったです。シリコン型は安定して固定できる形に整えて作るのが良いかもです。
顔:型ズレ
武器:型ズレ(大)
脚:原型より膨らんでいる
2.使用材料・道具
レジン
参考記事と同じウェーブが出しているレジンキャストEX(グレー)2kgを購入しました。使用したのは800gほどです。
レジンは気温が高くなると発酵して気泡ができやすくなるという話を聞いたのですが、調べてみると冬にできやすいと言う方もいました。結局気温ではあまり変化しないんですかね?夏場は気泡の発生自体がしやすくて、冬場は発生した気泡が硬化までに液面から抜け出にくいということなんでしょうか。とりあえず時間経過での劣化はありそうなので、残りのレジンで検証してみようと思います。
頑丈で丈夫な板
段ボールを型と同サイズにカットしたもので代用しました。
結論から書くと失敗でした。シリコン型にかかる圧力が一定になるように、MDFボードのような固くて変形しない板を使用する方がよいと思いました。
輪ゴム
参考記事と同じものを購入しました。5ケ入り。
最後まで使えましたが、若干レジンがこびりついてしまいました。レジンを剥がすのに失敗すると千切れそうになるので、大量に複製するなら多めに買っておくほうが良いかもです。
プラ製のコップ
100均のコップです。3ケ蓋付き。
ゴム手袋
ホームセンターで買った使いきりのゴム手袋です。着脱しにくくはありますが、汚れても気軽に交換できるので便利でした。
離型剤
参考記事と同じハイリムーバーを購入。
防毒マスク
重松製作所の防毒マスクGM77-MEEです。元々塗装用に使っていたものです。作業中にレジンの匂いがしなかったのでたぶん大丈夫でした。一応参考記事と同じ防毒マスクを購入していたのですが、本体だけ買って吸着缶を忘れていました。
その他買ってよかったもの
キッチンタオルとウェットティッシュ。何かこぼしたときでもすぐリカバリーできるので心の平穏に役立ちます。
3.シリコーン型に離型剤を塗る
手順通りにやって特にトラブルなしです。10数回使用しましたが、最後まで複製が型から外れないといったことはありませんでした。
ただ1回吹いただけの離型剤はほとんど視認できなかったため、塗れているのか不安になって吹き付けすぎる、という場面が何度もありました。1回吹いて信じてよかったのかもです。これも要検証
4.レジンの流し方
漏斗
100均の3個入り漏斗を使いました。
漏斗(小)は1回目のレジン流しで穴がふさがり使えなくなりました。
以降はずっと漏斗(中)を使用。1度使った後も硬化したレジンを剥がして使えます。
他にも、ろ過の様に適当な棒に沿わせて入れるやり方があるそうです。
そっちの方が気泡が混ざらないとか。こっちもちょっとやってみたいです。
シリコン型の固定
レジン流しで一番大事だと思います。
今回はおそらくこの型の固定が甘かったために、パーツが原型より太るという現象がおきました。
最初は型を1個ずつ1本の輪ゴムで固定しました。型が小さいため輪ゴムの締め付けが甘く、型の下からレジンが漏れて抜け殻のような複製ができました。
次に輪ゴムの締め付けを強化するため、型2つを2本の輪ゴムでまとめて固定しました。
これでやっとレジンが漏れなくなり、複製ができるようになりました。
出来た複製を見てみると、バリは中心部に発生しており、端の方にいくにつれて薄くなっています。これは今回自分が段ボールを使用していたためだと考えています。段ボール板はしなるため、輪ゴムの圧力を均等に分散できなかった、というのが今考えている理由です。
ただパーツが原型より痩せたという話も聞いたので、締め付け過ぎるのもだめなのかもしれません。次はきつめに固定して、どのくらいが良い塩梅なのかを調べてみようと思います。
A液とB液の攪拌
シリコンで痛い目を見たので、レジンはちゃんと硬化するようによく混ぜました。
結果硬化に問題はありませんでしたが、逆に気泡は全く対策していませんでした。
というよりレジンはシリコンと違って混合中に目に見える気泡が現れなかったため、気泡はできていないという認識で作業を進めてました。
実際にはレジンには目に見えない「微細気泡」というのがあるそうです。
乱暴に攪拌したり注型したりするとできるそうで、それがシリコン型の中で固まって小さい穴になります。
道具をそろえて丁寧に作業すれば多少は良くなるそうなので次は真面目に対策してみたいです。
シリコン型は思っていたよりもはっきりと原型の形状を捉えてました。
今回原型の一部をマスキングテープで固定したまま型取りを行っていたのですが、その後が複製からわかるほど残ってます。3Dプリント時の肉抜き穴もマステでふさいでいたので、そこもばっちり写ってました。原型は本当にきれいに磨いた状態でないといけないみたいです。
5.シリコーン型にレジンを入れる
流すレジンの量
何度か流して調整しました。(100g(勘)→80g→50g→60g)最初の方は型のチェックも兼ねたレジン流しなので、量の過不足があっても特に問題なしでした。
レジンは硬化時に発熱します。今回自分は1度に60gを使用しましたが、自動販売機で売ってるHOT飲料くらいの温かさがありました。1度に大量のレジンを硬化させるときは気を付けた方がよいかもしれません。
6.複製したパーツを取り出す
離型剤のおかげが特に苦労せず外せました。無理抜き箇所も最後までもってくれました。レジンの量が多すぎて周りにあふれたときだけ若干苦労しました。輪ゴムについても固まった後に剥がせばいいのですが、レジンが尖っているため輪ゴムが傷つかないようにするのに気を使います。
7.フィギュア複製まとめ
以上、2020年冬の複製振り返り記事でした。
初複製の感想としては、フィギュアってこんな作るの難しかったんだなあと…。やる前は絶対簡単だろうと思ってました。一体何を根拠にそう思えたのか…。
3Dプリントして塗装するまでは楽しいなーって感じなのですが、複製から先は地獄です。ワンフェス参加者は全員どMなんじゃないかとまで思いました。
初複製の出来はさんざんで、ちょっとくやしいのでまたぼちぼち次のフィギュアを作って行こうと思います。次は今回の失敗をいかしてうんと丁寧にやります。
とりあえず忘れてはいけないことは全部書いたつもりです。今後も何か思い出したら追加していきます。
以上、読んでくれた方、ありがとうございました。